2026/11/04 00:01


LAMPA CITY STANDARD
~東京カジュアルの正統派~
KEELA キーラ ブランド紹介



KEELA — スコットランドの防水衣料技術から生まれたアウトドアブランド

Berghausの製造から、二度の英国女王賞へ。
半世紀を超える技術が、今も軍や山岳救助の現場を支えている。

スコットランドのアウトドアブランド、KEELA(キーラ)。

1989年に誕生したこのブランドには、その設立年だけでは語りきれない歴史がある。なぜならKEELAの物語は、ブランドが誕生する16年も前、1973年にまで遡るからだ。

防水衣料を製造するための機械を開発し、英国を代表するアウトドアブランドBerghausのアウターを製造。その経験をもとに自社ブランドを立ち上げ、独自の防水システムを開発し、二度の英国女王賞につながる技術革新を実現してきた。

そして、その技術は過去の実績として残っているだけではない。現在もKEELA Tacticalという専門部門を通じて軍や警察などに向けた衣服を開発し、山岳救助をはじめとする厳しい現場でもKEELAの製品が採用されている。さらにスコットランドとスリランカには自社の製造拠点を持ち、今も実際に服をつくり続けている。

これだけの背景を持ちながら、日本ではその歴史まで詳しく紹介される機会が少ないブランドだと思う。今回は、KEELAというブランドがどこから生まれ、何を積み重ね、なぜ現在も専門的な現場から支持されているのか。その歴史をじっくり辿っていきたい。

KEELAの始まり、1973年のArdmel

KEELAの歴史を語るうえで、まず知っておきたいのがArdmelという会社の存在だ。

1973年に設立されたArdmelは、後にKEELAを生み出すことになる企業である。創業者のRube Fernandoはスリランカ出身で、1960年代にスコットランドへ渡り、Singerのミシン工場で働いていた。

Singerといえば、世界的に知られるミシンメーカー。その製造現場で経験を積んだFernandoが取り組んだのは、衣服をつくるための機械や製造技術の開発だった。

中でも重要だったのが、防水衣料の縫い目を処理するシームシーリング技術である。

防水生地を使用してジャケットをつくる場合、生地そのものが雨を通さなくても、縫製によって生まれる針穴から水が浸入する可能性がある。そこで縫い目の裏側に専用のテープを熱や圧力によって接着し、針穴を塞ぐ。これがシームテープ加工の基本的な仕組みだ。

現在では防水ジャケットで広く採用されている技術だが、Fernandoはこのシームシーリングを行う機械の開発に取り組んだ。

つまり、KEELAにつながる事業の出発点は、完成した服のデザインではなく、防水衣料を製造するための技術だった。

雨を防ぐ服をつくるには何が必要なのか。生地を縫い合わせた部分から水が入る問題を、どう解決するのか。そのための機械を、どう開発するのか。

そうした製造現場の課題に向き合うことから、この会社の歴史は始まっている。

Berghausを製造していた工場

そしてKEELAの歴史をさらに興味深いものにしているのが、英国の名門アウトドアブランドBerghausとの関係だ。

1966年に英国で創業したBerghausは、1970年代以降、英国のアウトドアウェアの発展に大きく関わってきたブランドである。実はKEELAが誕生する以前、Ardmelの工場ではBerghausを含む他社ブランドのアウターを製造していた。

この事実は、2026年10月にスコットランドの地方紙The CourierがKEELAの工場を取材した記事でも紹介されている。

ここで重要なのは、Ardmelが防水加工の機械を開発するだけの会社ではなかったということだ。実際にアウトドアウェアを製造し、生地を裁断し、縫製し、縫い目を防水処理し、一着のアウターとして完成させる。その仕事を通して、製造技術と経験を積み重ねていた。

そして1989年、自分たちのブランドとしてKEELAが誕生する。

この順番が実に面白い。すでに防水衣料の製造機械があり、Berghausなどのアウターをつくってきた経験があり、その積み重ねの先に自社ブランドが生まれたのである。

僕がKEELAというブランドに強く惹かれたのは、まさにこの部分だ。服を売るために製造技術を身につけたのではなく、製造技術を持った会社が自分たちの服をつくり始めた。その歴史が、現在のKEELAの製品を理解するうえでも重要な意味を持っている。

スコットランドの気候と防水衣料

KEELAの本拠地は、スコットランド東部ファイフ地方のGlenrothes。

雨や風が多く、天候が変わりやすい英国の気候は、防水衣料にとって厳しい条件を生み出す。特に厄介なのが、衣服内部で発生する結露だ。

防水ジャケットを着て歩き続けると、身体から汗や水蒸気が発生する。外気温が低ければ衣服の内部にも温度差が生まれ、水蒸気が液体の水へ変わることがある。

外から雨が浸入していなくても、衣服の内側が濡れてしまう。さらに雨が降り続いて外側の湿度が高くなれば、水蒸気を外へ逃がす条件も厳しくなる。

つまり、防水ジャケットに必要なのは、外からの水を防ぐ性能だけではない。身体が発する湿気をどう処理し、衣服内部をどのような状態に保つかという問題も存在する。

KEELAは、この結露という問題に取り組んだ。

その研究から生まれたのが、ブランドを代表する独自の防水システム、System Dual Protectionである。

System Dual Protection

System Dual Protection、通称SDPは、KEELAが開発した二重構造の防水システムだ。

二つの層の間にAir Gapと呼ばれる空間を設け、衣服内部の温度変化や結露を管理する仕組みを採用している。

一般的な防水透湿素材では、生地や膜が水蒸気をどれだけ通すかという性能が重要な評価項目になる。しかしKEELAが着目したのは、実際の着用環境で生じる結露を、衣服全体の構造によってどう管理するかという問題だった。

特に寒冷で湿度の高い環境では、衣服内部と外気の温度差が大きくなり、身体から発生した水蒸気が結露する可能性がある。SDPは二重構造と空気層を設けることで、その問題への対応を目指している。

重要なのは、防水性や透湿性を単独の数値として考えるだけでなく、衣服内部の結露という現象に対して、構造そのものから解決策を考えたことだ。

そして、このSDPはもともと軍事用途のために開発された技術だった。

軍の活動では、雨や風の中を長時間移動し、身体を激しく動かした後に停止することもある。低温環境では衣服内部に残った水分が身体を冷やす原因にもなる。

そうした条件を考慮して開発された技術が、後に山岳救助や緊急サービス、一般向けアウトドアウェアにも展開されていったのである。

2006年、最初の英国女王賞

KEELAの歴史を語るうえで欠かせないのが、2006年と2008年、二度にわたる英国女王賞に関わる技術革新だ。

Queen's Awards for Enterpriseは、英国企業の優れた業績を表彰する制度であり、Innovation部門では革新的な技術や製品が評価される。

最初の受賞は2006年。受賞企業はKEELAの関連会社であるArdmel Automation Ltd。対象となったのは、衣料産業に向けた糸を使用しない超音波接合技術の開発だった。

KEELAの公式沿革では、この受賞をAdvanced Construction Technology、通称A.C.T.という衣服や素材の構築技術に関するものとして紹介している。

従来の縫製では、針と糸によって生地をつなぎ合わせる。一方、超音波接合では高周波の振動によって接合部分に熱を発生させ、対応する素材同士を接合する。

素材によって適した接合方法は異なるが、針穴を開けずに素材を接合できることは、防水衣料の製造において重要な意味を持つ。なぜなら、防水生地に針穴を開けること自体が、水の浸入経路をつくる原因になるからだ。

ここで注目したいのは、賞の対象が完成したジャケットのデザインではなく、衣服を製造するための技術だったことだ。

1973年から製造機械と防水衣料の技術開発に取り組んできた会社が、糸を使用しない接合技術の開発によって英国女王賞を受賞した。KEELAというブランドの背景には、こうした製造技術の歴史が存在している。

2008年、二度目の英国女王賞

そして2008年、今度はKEELAの独自技術であるSystem Dual Protectionが、Queen's Award for Enterprise: Innovationを受賞する。正式な受賞企業はKeela International Ltdであり、衣服内部の結露を管理するためのSDP技術が評価された。

2006年のA.C.T.が衣服をどう構築するかという製造技術に関するものだったのに対し、2008年のSDPは、完成した衣服が厳しい環境でどう機能するかという技術である。

この違いは大きい。

衣服を製造する工程そのものを進化させる技術と、着用時に発生する結露を管理するための技術。KEELAにつながる企業群は、防水衣料をつくる方法と、その衣料が果たす性能の両方に取り組んできた。

そして、どちらも長年向き合ってきた防水衣料という分野から生まれている。

二度の英国女王賞という実績は、それぞれの技術の内容を知ることで、さらに重みを増す。

世界初を掲げたフリースジャケット

KEELAの技術開発には、もうひとつ興味深い製品がある。

2001年に発表された、完全にシームテープ処理されたフリースジャケットだ。KEELAはこれを世界初の製品として紹介している。

フリースは一般的に保温を担う衣服として知られているが、KEELAはそこに長年培ってきたシームシーリング技術を取り入れた。フリースの風合いを持ちながら、突然の雨にも対応するという発想である。

防水衣料の製造技術を持っているからこそ、既存の衣服に対しても新しい構造を考えることができる。

こうした製品開発の歴史にも、KEELAの技術的な背景が表れている。

KEELA Tacticalという専門部門

ここまで紹介してきたKEELAの技術が、現在どのような分野で生かされているのか。それを理解するうえで重要なのが、KEELA Tacticalの存在だ。

KEELA Tacticalは、軍、警察、戦術部隊、緊急サービスなど、専門的な任務に従事する人々へ向けた衣服を開発する部門である。

KEELA Tacticalでは、軍人との共同開発や、実際の現場で求められる性能を反映した製品づくりが重視されている。軍用衣料には、一般的なアウトドアウェアとは異なる要求が存在する。

たとえば、装備を身につけた状態で長時間活動すること。激しい運動と待機を繰り返すこと。雨や風、低温の中でも身体を動かし続けること。

こうした条件では、防水性や保温性に加えて、ポケットの配置、フードの構造、袖の可動域、装備との干渉、換気機構など、衣服の細部まで重要になる。

特に装備を身につけた状態では、ポケットが単に大きければいいわけではない。必要なものへ手を伸ばしやすい位置にあることや、装備によって開閉が妨げられないことも考慮しなければならない。

また、身体を激しく動かした後に停止する状況では、衣服内部の湿気や結露が問題になる。そこで関わってくるのが、先ほど紹介したSDPだ。

もともと軍事用途のために開発された技術が、現在もKEELA Tacticalの製品に採用されている。つまり、過去の研究開発と現在のタクティカルウェアが、同じ技術によってつながっているのである。

現場の要求を形にした製品

KEELA Tacticalの製品を具体的に見ていくと、その設計思想がさらに分かりやすくなる。

たとえばBelay Jacket 6.0は、寒冷環境での活動や待機を想定した防寒ジャケットだ。

このジャケットには、133g/㎡のPrimaLoft Gold中綿と、KEELA独自のSystem Dual Protectionが採用されている。

PrimaLoft Goldは化学繊維を使用した保温材であり、133g/㎡という数値は中綿の単位面積あたりの重量を示す。そこへSDPによる防水性と結露管理を組み合わせることで、寒冷環境での保温と悪天候への対応を考えた構造となっている。

さらにMultiCam仕様では、赤外線反射特性に配慮したIRR対応の生地を採用。肩には330デニールのナイロンによる補強を施し、活動時の動きやすさを考慮した短めの着丈に仕上げている。

IRRとはInfrared Reflectanceの略で、近赤外線領域における素材の反射特性に関わるものだ。軍用衣料では、目で見える色や迷彩柄だけでなく、暗視装置などからの見え方も重要になる。

Belay Jacket 6.0の公式仕様では、快適温度の目安としてマイナス15℃、極限温度の目安としてマイナス20℃が示されている。これはメーカーが設定した製品の温度評価であり、実際の防寒性は着用する衣服の組み合わせや活動状況によって変わる。

防水性、保温性、結露への対応、肩の補強、着丈、赤外線反射特性。こうして具体的な仕様を見ていくと、軍や専門部隊の活動を前提とした衣服が、どのような要求から設計されているのかが見えてくる。

現在も続く軍への供給

KEELA Tacticalについて、もうひとつ知っておきたいことがある。

それは、現在も軍や専門機関との関係を持ち、製品の開発と供給を続けていることだ。

KEELAの顧客には、軍だけでなく警察や消防などの公共サービスも含まれる。こうした専門的な分野への供給は、KEELAの事業において重要な位置を占めてきた。

さらに2026年には、チェコのプラハで開催される防衛・安全保障分野の展示会Future Forcesの出展者一覧に、Keela Tactical Solutionsが掲載されている。

出展者紹介では、軍事活動に向けた寒冷地用衣料の開発、SDPによる結露管理、軍人との共同開発などが説明されている。

過去の軍服を研究してデザインへ取り入れることと、現在の軍や専門機関から求められる衣服を開発することには、それぞれ異なる面白さがある。

KEELAには、後者の仕事を現在も続けているという強みがある。

アウトドアとタクティカルの接点

KEELA Tacticalと一般向けKEELAは、製品の用途や必要とされる仕様が必ずしも同じではない。軍用衣料には装備との適合性や赤外線反射特性など、一般向け製品には求められない場合もある性能が存在する。

しかし、両者の間には共通する技術がある。

その代表がSDPであり、もうひとつが長年培ってきた防水衣料の製造技術だ。

軍事用途から始まった結露管理の研究が、山岳救助や緊急サービス、一般のアウトドアウェアへと展開されてきた。同じ企業の中で、専門的な現場に向けた製品と一般向けの製品が開発されている。

その背景には、1973年から積み重ねてきた製造技術がある。

この関係を知ってからKEELAの服を見ると、ブランドが持つ技術的な奥行きがよく分かる。

山岳救助、警察、消防への供給

KEELAの製品が採用されているのは、軍だけではない。

山岳救助隊、警察、消防、救急サービスなど、さまざまな公共・専門分野へ衣服を供給している。

2026年10月のThe Courierによる現地取材でも、Police Scotland、Forestry Commission、山岳救助隊、軍などへの供給が続いていることが報じられている。

山岳救助の現場では、悪天候だからといって活動を中止できるとは限らない。雨や風、低温の中で長時間身体を動かし、時にはその場で待機することもある。

そうした環境では、防水性だけでなく、衣服内部の湿気への対応、身体を動かすための構造、装備へのアクセス、保温性など、複数の性能が求められる。

KEELAが長年取り組んできた技術と、こうした現場で必要とされる衣服の性能は、密接につながっている。

製造技術の開発から始まった会社が、現在も人々の安全に関わる仕事を支える衣服をつくっている。

その歴史には、非常に大きな説得力がある。

スコットランドに残る自社工場

ここまでKEELAの技術と製品について紹介してきたが、もうひとつ大きな特徴がある。

現在も自社で衣服を製造していることだ。

KEELAの本拠地Glenrothesには、今も製造設備があり、実際にアウターの縫製が行われている。

2026年10月のThe Courierによる現地取材では、同社がSouthfield Industrial Estateに4棟の建物を構え、地元で約70人を雇用していることが紹介されている。

さらに、同記事では年間売上高が過去最高となる約1,000万ポンドに達したことも報じられている。

1,000万ポンドという規模は、日本円に換算すれば為替相場によって変わるものの、相応の事業規模を持つメーカーであることが分かる。しかも、この事業を支える拠点では、現在も実際に衣服が縫製されている。

Ardmelグループの事業は衣服だけにとどまらず、精密機械部品や自動車に関わるシーリング技術などにも広がっている。

1973年に衣服の製造機械を開発する会社として始まり、Berghausのアウターを製造し、自社ブランドを立ち上げた。そして半世紀以上が経過した現在も、製造技術の開発と実際の衣服づくりを続けている。

この歴史があるからこそ、現在のGlenrothesの工場には特別な意味がある。

KEELAのものづくりの出発点が、今もスコットランドに残っているのである。

スリランカとの深い関係

KEELAはスコットランドだけでなく、スリランカにも自社の製造拠点を持っている。

スリランカは創業者Rube Fernandoの出身地でもあり、グループの製造体制において重要な役割を担っている。

グループ企業のIlascoも、スコットランドとスリランカの製造体制を背景に、専門的な防護衣料などを手掛けている。

そのため、KEELAの製品がすべてスコットランド製というわけではない。生産国は製品によって異なる。

しかし重要なのは、英国とスリランカに製造拠点を持ち、現在も衣服の製造に直接関わっているということだ。

自社ブランドを立ち上げた後も、製造という仕事を手放さず、技術と生産体制を維持してきた。

KEELAが現在も専門的な衣服を開発し、供給している背景には、こうした製造体制の存在がある。

75万着を超える医療用ガウン

KEELAの製造能力を示す出来事として、2020年のパンデミックも挙げておきたい。

この時、KEELAは英国国内の製造設備を拡充し、NHS向けの医療用ガウンや個人用防護具の生産に対応した。

公式沿革によれば、その生産数は75万着を超える。アウトドアウェアの製造で培ってきた技術と設備を、医療現場で必要とされる衣服の生産へ転用したのである。

しかも、この時に拡充された英国の製造設備は、その後も残され、2022年には新しい英国製の限定製品などの生産へとつながっている。

防水衣料の製造機械を開発するところから始まった会社が、必要とされる衣服を自らの製造技術で生産する。

半世紀にわたるKEELAの歴史を考えると、この出来事もその延長線上にある。

修理から続くものづくり

KEELAには、製品を修理し、長く着続けることを支える取り組みもある。

その歴史は1980年にまで遡る。この年、後にKeela Rebuildへとつながる修理事業が始まった。

当初は契約顧客向けの修理サービスとして始まり、現在では年間100件を超える修理を行っていると公式沿革で紹介されている。

服をつくるだけでなく、傷んだ部分を修理し、再び着られる状態へ戻していく。衣服を製造する技術と経験を持っていることは、こうした取り組みにもつながっている。

さらに2011年には契約顧客向けの衣料回収制度を開始。2014年には5 R'sと呼ばれる取り組みを通じて、製造工程を含めた持続可能性への活動を強化した。

2026年の現地取材では、古くなったKEELAの衣服をウォッシュバッグや財布、エプロンなどへつくり替えるLegacy Projectも紹介されている。

服をつくり、修理し、役目を終えた製品を別の形へ変えていく。製造を自分たちの仕事として続けてきた会社だからこそ、こうした取り組みにも一貫した背景が感じられる。

半世紀を超える製造技術とKEELAの現在

1973年に始まった防水衣料の製造技術。Berghausを含む他社アウターの製造。1989年の自社ブランド設立。そして衣服内部の結露という問題に向き合い、独自のSystem Dual Protectionを開発してきた歴史。

2006年には糸を使用しない超音波接合技術、2008年にはSDPに関わる技術革新が英国女王賞によって評価された。さらに現在もKEELA Tacticalを通じて軍や専門機関に向けた製品開発を続け、警察や山岳救助の現場へ衣服を供給している。

そして、その服をつくるための製造拠点が、今もスコットランドとスリランカに存在している。

これだけの歴史を持ちながら、日本ではKEELAの背景まで広く知られているとは言い難い。

しかし、こうした事実を知ったうえで製品を見ると、衣服の構造やディテールに対する理解は大きく変わってくる。

なぜ衣服内部の結露にまでこだわるのか。なぜ軍や山岳救助の現場に向けた製品を開発し続けているのか。そして、なぜ今も自社で服を製造しているのか。

その答えは、1973年から積み重ねてきた歴史の中にある。

防水衣料の製造機械を開発し、Berghausのアウターを製造していた工場。その技術から生まれたブランドが、半世紀以上を経た現在も、自ら服をつくり、軍や山岳救助の現場へ製品を送り出しています。LAMPAでは、そうした歴史と技術が息づくKEELAの服を、これからじっくり紹介していきます。