2026/10/31 01:03



LAMPA CITY STANDARD
~東京カジュアルの正統派~
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MODMNT AVIATOR JKT

1940年代のダウンと、1950年代のフライトジャケット。
二つの名作の歴史を重ね、現代の素材と造形で再構築する。

服の歴史を辿っていくと、異なる目的から生まれたものが、驚くほどよく似た形に行き着いていることがある。そこには流行とは別の、用途に応じた合理的な設計がある。そして、その合理性から生まれた形が、何十年も経った現在でも色褪せることなく魅力を放っている。

今回のMODMNT AVIATOR JKTを見て面白いと感じるのは、まさにその部分だ。デザインの出発点は、1950年代に米空軍で採用されたMA-1フライトジャケット。しかし、そこにスペイン産ホワイトダックダウンを封入することで、1940年代に誕生したEddie Bauerの名作ALL-PURPOSE JACKETを思わせる、丸みと膨らみを備えたダウンブルゾンへと発展させている。

MA-1とALL-PURPOSE JACKET。どちらもアメリカを代表する防寒着でありながら、その成り立ちは大きく異なる。一方はジェット機時代の航空装備として、もう一方はダウンの保温性を幅広い屋外活動へ取り入れるために生まれた服だ。短い着丈、簡潔な前開き、身体を包む立体的な身頃という共通点を持ちながら、それぞれが異なる歴史を歩んできた。

LAMPAでは、こうした服の歴史を理解したうえで、現代の素材と設計によって新しい形へ発展させるMODMNTの考え方に魅力を感じている。今回のAVIATOR JKTも、MA-1の構造を基本としながら、ダウンによる保温性、難燃素材HINOC、そして前後に展開する独自のポケット設計を組み合わせている。古い服の特徴を残しながら、着た時の輪郭まで新しく作り直している。このジャケットに惹かれたのは、まさにそこだ。

二つの名作が歩んだ歴史

まずMA-1の歴史を辿ると、その前身となるのが第二次世界大戦中に登場したB-15フライトジャケットだ。短い着丈、フロントジッパー、袖口と裾のニットリブなど、後のMA-1へ受け継がれる基本構造は、この時代にすでに成立していた。やがて航空機がプロペラ機からジェット機へと進化すると、飛行服にも新しい環境への対応が求められるようになる。

その代表的な変更が、B-15に見られた毛皮襟の廃止だ。ジェット機時代のヘルメットや搭乗装備との干渉を考慮し、首元を低いニット襟へ変更。1950年代半ばに登場したMA-1では、ナイロン製の表地、ウールパイルを用いた保温層、ニットリブによる袖口と裾の構造が組み合わされ、航空機内での活動を考えた防寒着として発展していった。

初期型には酸素マスクのホースを保持する革製タブや、通信コードを固定するループなど、航空機の装備と結びついたディテールも存在した。こうした仕様は航空技術の変化に合わせて整理されていくが、短丈で丸みのある身頃、腕の動きを考えた袖、裾を引き締めるリブという基本的な形は受け継がれた。

現在ではファッションとして親しまれているMA-1だが、あの独特な丸みのある輪郭も、もともとは飛行服としての合理性から生まれたものだ。航空機という特殊な環境で求められた機能が、時代を越えて一つの完成されたデザインとして残っている。服の歴史の面白さは、こういうところにある。

一方、Eddie BauerのALL-PURPOSE JACKETは、1945年頃に誕生したダウンジャケットだ。Eddie Bauerは1930年代からダウンを用いた防寒着の開発に取り組み、1940年にはダウンを偏りにくくするキルティング構造の特許を取得。その技術は第二次世界大戦中の軍用防寒着や、後の極地遠征用装備へと発展していった。

そのEddie Bauerが、ダウンの保温性を幅広い屋外活動のために取り入れたのがALL-PURPOSE JACKETだった。1958年のアメリカの雑誌広告には、100% PRIME NORTHERN GOOSE DOWNを使用し、ラグランスリーブ、フロントジッパー、ジッパー付きスラッシュポケットを備えたジャケットとして紹介されている。当時の販売価格は32.50ドル。特定の登山や遠征だけを目的とするのではなく、幅広い屋外活動に対応する防寒着として販売されていた。

特に興味深いのは、その外観だ。Eddie Bauerの初期ダウンを象徴するSKYLINERでは、表面に現れるダイヤモンドキルトがデザインの特徴となっていた。それに対してALL-PURPOSE JACKETは、ダウンを内部に収め、表側にキルティングを見せない簡潔なブルゾン型を採用。ラグランスリーブによる丸い肩の輪郭と、ダウンが作るふっくらとした身頃によって、一般的なスポーツジャケットに近い外観を成立させていた。

ここで改めてMA-1とALL-PURPOSE JACKETを見比べると面白い。航空機内での活動を考えて作られたMA-1と、ダウンの保温性を屋外活動へ広げるために作られたALL-PURPOSE JACKET。出発点は異なるのに、どちらも短丈で、身体を包む丸みを持ち、装飾を抑えたブルゾン型に行き着いている。

今回のAVIATOR JKTは、その二つの歴史を一着の中で結びつけている。MA-1の短丈で裾を絞った構造に、ALL-PURPOSE JACKETを思わせるダウンの膨らみを加える。それぞれが持っていた合理的な形を理解したうえで、現代のダウンブルゾンとして再構築しているのだ。

NANGA HINOCと難燃素材の進化

表地に採用されているのは、日本のダウンメーカーNANGAが開発した難燃素材HINOC。ポリエステル93%、アラミド7%を組み合わせた生地で、火の粉による損傷や燃え広がりを抑えることを考えた機能性素材だ。さらに摩耗や引き裂きへの強さも備え、屋外での使用を想定した素材として開発されている。

ここで注目したいのが、混紡されているアラミドという繊維だ。アラミドとは芳香族ポリアミド系の高機能繊維で、耐熱性や強度に優れ、防護服や産業資材などにも採用されている。代表的な繊維にはKevlarやNomexなどがあり、特殊な環境で求められる性能を持つ素材として発展してきた。HINOCでは、こうしたアラミド繊維をポリエステルに組み合わせることで、機能性と衣服としての着用感を両立させている。

そして、この素材をMA-1という服の歴史と重ねてみると、さらに興味深い関係が見えてくる。

1950年代に誕生した初期のMA-1は、ナイロンツイルを表地に使用したフライトジャケットだった。その後、航空機の火災に対する安全性が重視されるようになり、飛行乗員用の防寒着は難燃性を備えたCWU-45/Pなどへ移行していく。その代表的な素材が、アラミド系繊維であるNomexだ。

つまり、フライトジャケットの歴史には、航空機内での活動を考えた形の進化だけでなく、火に対する安全性を高めるための素材の進化も存在している。

HINOCとNomexは異なる素材だが、アラミド繊維の耐熱性を衣服に取り入れるという点では共通する考え方がある。今回のAVIATOR JKTは、1950年代のMA-1を基本形としながら、表地には後年の航空用フライトジャケットにも通じる難燃素材の技術を採用している。見た目のデザインだけでなく、素材の選択にもフライトジャケットの歴史とつながる要素がある。こういうところまで掘り下げていくと、MODMNTというブランドの服作りがますます面白くなってくる。

そしてHINOCの魅力は、機能性だけではない。実際の生地で注目したいのが、コットンを思わせるナチュラルな表面感だ。

一般的なナイロン製フライトジャケットでは、滑らかな光沢や生地特有の張りが外観を特徴づける。それに対してHINOCは、合成繊維を主体としながらも落ち着いた質感を備えている。MA-1をベースとしたデザインでありながら、いかにも軍用ナイロンという見え方にならず、ワークウェアにも通じる素朴な生地の表情が生まれる。

この違いは、今回のAVIATOR JKTに数多く設けられたポケットとも深く関係している。前後に大きく張り出した立体ポケットは、それだけで強い造形を持つディテールだ。そこに光沢を抑えたHINOCを使用することで、ポケットのマチやフラップ、身頃の切り替えといった構造そのものが見えてくる。

複雑なポケットを備えたジャケットでありながら、生地の表情には落ち着きがある。素材が前に出過ぎず、立体的なパターンや収納部分の造形を引き立てている。この素材とデザインの関係も、非常によく考えられていると感じる。

スペイン産ダウンと河田フェザーの精製技術

内部には、スペイン産ホワイトダックダウンを封入している。ここにもNANGAが長年培ってきた羽毛に対する考え方が反映されている。

NANGAが紹介するスペイン産ダウンの背景には、水鳥の成熟期間に着目した品質管理がある。NANGAでは、一般的な食肉用ダックの飼育期間を40日未満とする比較を示しており、それに対してムラード種の水鳥を80日以上かけて飼育し、十分に発達したダウンボールを得ることが特徴として挙げられている。

このダウンボールとは、中心から細い羽枝が放射状に広がった綿毛状の羽毛のこと。その枝の間に大量の空気を含むことで断熱層を形成し、身体から生まれる熱を逃がしにくくする。生地そのものを厚くするのではなく、羽毛が膨らむことで生まれる空気の層を利用するのがダウンの特徴だ。

そして、羽毛の品質を語るうえで欠かせないのが、その精製工程だ。

NANGAが採用する羽毛の品質を支えているのが、日本の羽毛専門メーカーである河田フェザーの精製技術。三重県の伊勢平野で得られる地下水は、硬度3〜5mg/Lという極めて軟らかい水だ。一般的な硬度分類では60mg/L未満を軟水としており、その中でも際立って低い数値となる。

水の硬度を左右するのは、主にカルシウムやマグネシウムといったミネラル分。これらが多い硬水では、石鹸の成分と反応して水に溶けにくい石鹸カスが生じ、洗浄効率が低下しやすい。一方、ミネラル分が極めて少ない軟水では洗浄成分が働きやすく、羽毛に付着した汚れや余分な油脂を取り除く工程に適している。

河田フェザーは、この恵まれた水質を生かして羽毛の洗浄、乾燥、除塵、選別を行い、不純物を取り除きながら羽毛本来の膨らみを引き出していく。NANGAが公表する清浄度は、基準値の2倍にあたる2,000mm。こうした精製工程によって実現される品質管理の高さを示している。

そして、ここからが今回のAVIATOR JKTにとって重要な部分だ。こうして精製されたダウンは、身体を暖めると同時に、ジャケットの形そのものを作り出す大きな役割を担っている。

MA-1は、もともと短い着丈と裾のリブによって、身頃に丸みが生まれる構造を持っている。そこへダウンを封入することで、胸から腹部にかけての膨らみが強調され、裾へ向かって絞られる独特の輪郭が生まれる。身体を包む部分にはボリュームがありながら、裾の位置でその膨らみが収まるため、着丈以上に身頃の立体感が印象に残る。

また、表面に大きなキルティングを見せない構造によって、ダウンの膨らみが細かく分断されず、身頃全体の丸みとして現れている。ここにALL-PURPOSE JACKETとの共通点がある。

MA-1のフライトジャケットらしい輪郭と、ダウンブルゾン特有の柔らかな膨らみ。航空機内での防寒着として生まれた服の構造に、ダウンが持つ保温性と立体感を重ねることで、二つの異なる歴史が一つのシルエットへとつながっている。

このジャケットをダウン入りのMA-1という視点だけで見てしまうと、最も興味深い部分を見落としてしまう。ダウンを封入したことによって、MA-1がもともと持っていた丸みがさらに強調され、1940年代のダウンブルゾンにも通じる独特な形へ発展している。素材の選択そのものが、デザインの再構築になっているのだ。

二段リブとヴィンテージディテール

デザインの基本となるのは、MA-1特有の短丈のボマージャケット型だ。身頃に膨らみを持たせながら、袖口と裾のリブで全体の輪郭をまとめる構造は、フライトジャケットを象徴する特徴の一つ。ダウンによって身頃にボリュームが加わった今回のAVIATOR JKTでは、このリブによる引き締めがシルエットを形作る重要な要素になっている。

そして今回、ヴィンテージMA-1を知る人なら見逃せないのが、袖口と裾に採用された二段リブだ。

編み組織の切り替えによって段差のある表情を作るこの仕様は、古いMA-1でお馴染みのディテール。単純なリブとは異なり、袖口や裾に細かな凹凸が生まれることで、ブルゾン全体の輪郭を引き締めながら、ヴィンテージフライトジャケット特有の表情を作り出している。

こうしたリブの構造は、一見すると小さな違いに思えるかもしれない。しかし、今回のAVIATOR JKTでは、ダウンによって膨らんだ身頃をどこで収めるかが、ジャケット全体の形を決める重要な要素になっている。裾の二段リブがそのボリュームを受け止めることで、身頃の丸みと短丈のバランスが成立している。

さらにフロントジッパーの最下部には、スナップボタンで留めるタブを配置している。ジッパー下端を覆うこの仕様は、ヴィンテージのL-2Bフライトジャケットなどにも見られるディテールだ。前合わせの最下部をスナップで留めることで、ジッパーの終端を覆いながら、裾の中央に小さな構造的アクセントを加えている。

二段リブの編み方や、ジッパー下端の小さなタブ。どちらも遠目には目立たない。しかし、実際に服を見ていくと、MA-1という服の特徴を細部まで踏まえていることが伝わってくる。

大胆な再構築を行いながら、こうしたヴィンテージの細かな仕様を残しているところも重要だ。古いフライトジャケットが持つ構造を理解しているからこそ、その基本形を崩すことなく、新しい素材や大胆なポケットの設計を重ねることができる。細部に残された歴史が、全体の自由な造形を支えている。

前後左右に展開する立体ポケット

今回のAVIATOR JKTで、特に注目したいのがポケットの設計だ。

前身頃だけでなく、袖、さらに後ろ身頃にまで、異なる形状のポケットを配置している。MA-1の基本的な輪郭を残しながら、収納という機能を服全体のデザインへと発展させている。単にポケットの数を増やしたのではなく、それぞれの配置と膨らみが、ジャケット全体の立体的な造形に関わっている。

まず前身頃には、左右の腹部に大型の立体フラップポケットを配置。スナップボタンで留めるフラップと、マチによって膨らみを持たせたポケット本体が、身頃の正面に大きな立体感を生み出している。

さらに、その外側にはMA-1でお馴染みの斜めに手を差し込むハンドウォーマーポケットも備えている。大型のフラップポケットとハンドウォーマーポケットを重ねることで、収納するものに応じて異なるポケットを選べる実用性と、前身頃に奥行きを生み出す立体的なデザインが組み合わされている。

左胸には縦長のジッパーポケットを配置。腹部の大きなフラップポケットに対して、胸には細長い直線的なディテールを設けることで、前身頃の上部と下部に異なる表情が生まれている。さらに袖にも縦長のジッパーポケットを備え、MA-1に見られるユーティリティーポケットの考え方を受け継いでいる。

ここまででも十分に特徴的なデザインだが、今回のAVIATOR JKTの本当の魅力は、背中側へ回ってみることでさらに明確になる。

後ろ姿を変える大型立体ポケット

このジャケットの造形を決定づけているのが、後ろ身頃に配置された二つの大型ポケットだ。

背中の下半分、裾リブのすぐ上に、左右一つずつ大型の立体フラップポケットを配置。前身頃と同じくスナップボタンで留める構造で、マチによってポケット本体に膨らみを持たせている。

一般的なMA-1では比較的簡潔にまとめられている背面に、これほど大きな収納部分を設けているところが独創的だ。正面にはMA-1の面影を残しながら、後ろ姿にはハンティングジャケットやワークウェアにも通じる収納の発想が取り入れられている。

さらに注目したいのは、背中を横方向に走る切り替え線とポケットの関係だ。背中の上半分には広い生地の面を残し、その下に左右のポケットを配置することで、上部の滑らかな輪郭と下部の立体的な構造が明確に分かれている。

ポケットが単独で張り付いているのではなく、背面全体の設計に組み込まれているところが特徴的だ。背中の上部にはダウンによる丸みを残しながら、裾に近い部分ではポケットのマチが立体的な輪郭を作る。身頃の膨らみと収納部分の膨らみが、異なる役割を持ちながら一つのシルエットを形作っている。

もともとMA-1の背面は、身頃の丸みが大きく現れる部分だ。今回のAVIATOR JKTでは、ダウンによって強調されたその膨らみを残しながら、背中の下部に左右の大型ポケットを設けている。ダウンが作る柔らかな曲面と、ポケットのマチが作る構造的な立体感。その二つが背中の上下で異なる表情を生み出している。

しかも、大型ポケットを裾リブのすぐ上に配置することで、背中の下部にボリュームが集中し、短丈のボマージャケット特有の輪郭がより鮮明になっている。古いMA-1では簡潔だった背面が、収納という新しい要素によって大胆に変化しているのだ。

そして、前後の大型ポケットが身頃の下部で呼応することによって、横から見た時にも立体的な構造が連続している。前から見れば胸と腹部のポケットが作る複雑な構造、横から見れば袖の収納部分と身頃の膨らみ、後ろから見れば左右に張り出した大型ポケット。

このジャケットは、正面から見ただけでは全体のデザインを理解しきれない。横へ回り、さらに後ろへ回ることで、初めて服全体の構造が見えてくる。前後左右のポケットがそれぞれ異なる立体感を生み出し、ダウンの膨らみと一体になって、360度どこから見ても独特な輪郭を作り出している。

これほど大胆なポケット設計を取り入れながら、MA-1の基本的なシルエットが失われていないことも見逃せない。短丈の身頃、丸みのある肩から胴へのライン、袖口と裾を引き締めるリブ。その基本構造が残っているからこそ、前後に張り出した大型ポケットが生きている。

古い服の構造を理解し、その特徴を残したまま、まったく新しい造形へ発展させる。MODMNTのAVIATOR JKTは、その考え方が非常に分かりやすく現れた一着だ。

LAMPAが選ぶ理由

服を長く見続けていると、古い名作を忠実に再現することと、その名作を理解したうえで新しい服を作ることは、まったく別の仕事だと感じる。

今回のAVIATOR JKTには、1950年代のMA-1が持つ航空装備としての合理性がある。1940年代のEddie Bauer ALL-PURPOSE JACKETを思わせる、ダウンブルゾン特有の丸みがある。さらに、後年の航空用フライトジャケットにも通じるアラミド系難燃素材の技術があり、NANGAが採用するスペイン産ホワイトダックダウンと、河田フェザーの精製技術が組み合わされている。

そして、二段リブやスナップ留めタブといったヴィンテージの細部を残しながら、前後左右には大胆な立体ポケットを配置。服の歴史を辿ることで見えてくる異なる時代の構造と技術が、一着の中でつながっている。

僕がLAMPAでこのジャケットを紹介したい理由は、まさにここにある。MA-1という誰もが知る名作を出発点にしながら、その完成された形を理解したうえで、ダウンの膨らみと独自の収納構造によって新しい輪郭を作り出している。歴史への理解が深いからこそ、ここまで自由な発想にたどり着ける。その面白さを、実際に服を見た時にも感じられるのだ。

特に見てほしいのは、やはり後ろ姿です。正面からはMA-1の面影を感じさせながら、背中を向けた瞬間、ダウンによって丸みを帯びた身頃の下に、左右の大型ポケットが立体的に張り出します。1940年代のダウンジャケットと1950年代のフライトジャケット、それぞれの歴史を受け継ぎながら、現代の素材と独創的な設計によって生まれた新しい造形です。MA-1という完成された名作から、これほど自由で独創的な後ろ姿が生まれています。その発想と造形にこそ、LAMPAがこのAVIATOR JKTを選んだ理由があります。