2026/10/27 23:29



LAMPA CITY STANDARD
~東京カジュアルの正統派~
ORDINARY FITS WOOL SWEATORDINARY FITS WOOL SWEATORDINARY FITS WOOL SWEATORDINARY FITS WOOL SWEATORDINARY FITS WOOL SWEATORDINARY FITS WOOL SWEATORDINARY FITS WOOL SWEATORDINARY FITS WOOL SWEAT



ORDINARY FITS WOOL SWEAT

メリノウールを、セーターではなくスウェットで着る。
天然繊維が持つ機能を、もっと気軽な日常着へ。

スウェットといえばコットン。あまりにも長く親しまれてきた定番だからこそ、素材を変えるなら、そこにはきちんとした理由が欲しい。ただ珍しい素材を使っただけでは、この形を選ぶ意味がない。素材が変わることで、いつものスウェットを着る感覚そのものまで変わる。ORDINARY FITSのWOOL SWEATは、そこまで踏み込んだ一着だ。

使われているのは、メリノウール100%でつくられたブランドオリジナルの裏毛生地。メリノウールと聞けば、まずセーターを思い浮かべる人が多いと思う。暖かく、柔らかく、質の良い天然素材である一方、ニット特有の見え方が自分の服装には少し違うと感じてきた人もいるだろう。

だったら、その素材をスウェットにしてしまう。僕がこの服を面白いと思った一番の理由はここにある。誰もが知っているスウェットという日常着の中へ、メリノウールが本来持っている保温性、吸放湿性、防臭性、弾力性を持ち込む。見慣れた服なのに、素材から考えると中身はまったく違う。

LAMPAでこの一着を紹介したいのも、高級なウールを使ったスウェットだからではない。長く親しまれてきた天然素材の性質と、同じく長く着続けられてきたスウェットという形。その二つを組み合わせることで、セーターともコットンスウェットとも違う日常着をつくっている。メリノウールを特別な素材として遠ざけるのではなく、いつものスウェットまで引き寄せた。その発想に、この服を選ぶ理由がある。

一本の繊維が持つ機能

メリノウールの柔らかな肌触りには、繊維の細さが大きく関係している。太く硬い繊維は肌に触れても曲がりにくく、その先端が皮膚を刺激しやすい。それに対して細いメリノウールは、肌に触れた時の小さな力でもしなやかに曲がりやすい。ウールなのにチクチクしにくいと感じる理由は、単に表面が滑らかだからではない。一本一本の繊維そのものの細さと曲がりやすさにある。

そしてメリノウールの面白さは、暖かさだけではない。繊維内部へ水蒸気を取り込み、周囲の環境に応じて放出する吸放湿性を持っている。さらに、水分を吸着する過程では吸着熱も生じる。身体の周囲の湿度変化に、繊維そのものが反応するということだ。

臭いに対しても、薬剤を加えることで機能を持たせた化学繊維とは考え方が異なる。ウールには臭気成分を繊維内部へ取り込んで保持する性質があり、それが臭いを感じにくくすることにつながる。保温、吸放湿、防臭。後から機能を付け足したのではなく、羊毛という一本の天然繊維がもともと備えている。機能服という言葉を聞くと新しい素材や加工を想像するが、メリノウールには最初からそれがある。ここが天然繊維としての面白さだと思う。

メリノウール100%の裏毛

この服のもう一つの核が、そのメリノウールを100%のまま裏毛にしていることだ。裏毛は単に厚く編んだ生地ではない。表側の編み地とは別に、裏側へ糸を送り込んでループをつくり、その立体によって膨らみを生み出す。コットンスウェットでは見慣れた構造だが、それをメリノウール100%でつくるとなると話は変わってくる。

ウールには天然の捲縮と弾力があり、水分や摩擦によって繊維同士が絡み、収縮する性質もある。裏毛では裏側にループを形成するため、その膨らみを保ちながら生地として安定させる必要がある。柔らかさだけを求めればいいわけでも、密度を上げて硬くつくればいいわけでもない。ウールらしいしなやかさを残しながら、スウェットとして着られる生地の骨格をつくる。メリノウール100%の裏毛という仕様には、こうした素材と編み地の性質を考える面白さがある。

そして出来上がった生地には、コットンの裏毛とは違う表情が生まれている。ウール特有の柔らかさと膨らみがありながら、表側にはコットンスウェットに見られる素朴な質感とは違う、きめ細かく整った表情がある。スウェットの気取らなさを残したまま、素材そのものが服の印象を変えている。メリノウールを裏毛という組織に仕立てたことが、着心地だけではなく、見た目にもきちんと現れている。

しかも手洗いによる自宅での洗濯が可能だ。メリノウール100%という素材を、日常の中で自分の手で手入れしながら着ていける。手で洗い、状態を確かめながら、また袖を通す。素材の性質を知り、自分で付き合っていくことまで含めて楽しめる。高級な素材を特別な日のためだけに取っておくのではなく、普段から着て、自宅で手入れをしながら長く付き合っていく。そんな距離感が、この服にはよく似合う。

スウェットとしての形

デザインのベースにあるのはVINTAGEのスウェット。肩や身幅に適度なゆとりを持たせた、ややゆったりとしたシルエットに仕上げている。身体との間に自然な余裕が生まれ、スウェットらしいリラックスした着心地を楽しめる。その一方で、全体の輪郭はすっきりと収まり、メリノウールの柔らかな質感が服の表情として自然に生きている。

この素材とシルエットの組み合わせが実にいい。コットンスウェットには、生地の厚みや張りによって輪郭がはっきり出るものも多い。こちらはウール特有の柔らかさがその輪郭を和らげ、ややゆったりとした形にも落ち着いた雰囲気が生まれる。スウェットが持つ無骨さと、メリノウールのきめ細かな表情。その両方が一着の中に自然に収まっている。

さらに縫製にはフラットシーマを採用している。縫い代を重ねて厚みをつくるのではなく、縫い合わせ部分を平らに仕上げる縫製方法だ。VINTAGEスウェットとのつながりを感じさせる仕様であると同時に、肌に触れた時の縫い目の存在を抑えられる。メリノウール100%の柔らかな肌触りを楽しむ服だからこそ、この仕様が生きてくる。生地の質感だけでなく、身体に触れる縫い目にまで目を向けているところに、ORDINARY FITSらしい丁寧な服づくりを感じる。

メリノウールを日常着へ

見た目は、昔から親しまれてきた気軽なスウェット。でも袖を通すのはメリノウール100%。この組み合わせがやはりいい。セーターとして親しまれてきた素材を、スウェットという見慣れた形に落とし込むことで、メリノウールの魅力がまた違った角度から見えてくる。

ブランドオリジナルのメリノウール100%裏毛生地に、VINTAGEスウェットをベースにしたややゆったりとしたシルエット。そしてフラットシーマによる縫製。それぞれの仕様が、スウェットとして自然に着られる一着へとつながっている。素材を変えるという発想を、見た目だけの変化で終わらせていないところがいい。

メリノウールを、セーターではなくスウェットで着る。その発想を、素材から縫製、シルエットまで丁寧に形にした一着です。いつものスウェットを着る気軽さの中で、メリノウールという天然素材の魅力を存分に味わっていただきたいと思います。