2026/10/03 17:55










THING FABRICS — LONG SLEEVE T-SHIRT(1mm PILE)TFIN-2901
シンプルな服ほど、その違いははっきり見える。
ロンTは、特別な服ではない。毎日のように着る、ごく普通の服だと思う。だからLAMPAでは、こういうシンプルな服ほど、生地の違いを大切にしている。同じ無地、同じ形でも、何でつくられているかによって、着た時の気持ちよさも、見え方も変わるからだ。
THING FABRICSのLONG SLEEVE T-SHIRTを選んだ理由も、そのパイル生地にある。触れればタオルを思わせる柔らかさがあり、着れば細かなループが無地の表面に凹凸をつくる。しかも、単純にタオル生地を洋服にしたわけではない。サンホーキン綿から糸をつくり、今治の職人と二年をかけ、洋服として着るためのパイルを開発している。
肌に触れる生地を、原料と糸から考える
原料には、アメリカ・カリフォルニア州のサンホーキンバレーで育つサンホーキン綿を使用。長く強い繊維を持つ綿を、精紡交撚という紡績技術によって、余分な毛羽を抑えた滑らかな糸へ仕上げている。さらにオリジナルスパン糸を組み合わせることで、洋服として必要な伸縮性も持たせている。
タオルなら、触れた時の柔らかさや、水分を吸うことが大切になる。けれど服なら、それを身につけて腕を動かし、歩き、座り、一日を過ごす。毎日身体に触れる服にするために、原料から糸、生地まで考えられている。
5秒以内という、今治タオルの吸水基準
この生地の背景にある今治のタオルづくりを知るうえで、分かりやすい数字のひとつが吸水性の基準だ。吸水性を測る沈降法で、一般的なタオルの基準とされるのは60秒以内。それに対して、今治タオルが求めるのは5秒以内。試験片を水面に浮かべ、水を吸って沈み始めるまでの基準時間で比べれば12分の1になる。これはこのロンT自体の実測値ではなく、今治タオルに求められている基準だ。
今治で積み重ねられてきたのは、触った瞬間の柔らかさだけではない。水分を素早く受け取るところまで含めて、タオルとしての性能を考えてきた。THING FABRICSのパイルには、そうした今治のものづくりが背景にある。
1mmだから、毎日着る服になる
そして、このロンTで重要なのが「1mm PILE」という名前にもなっているループの長さだ。パイルは気持ちがいい反面、ループが長ければ突起物やベルクロに絡みやすく、引っ掛けた時に糸が引き出されることがある。そこで、この生地ではパイルのループを1mmという短さに設定している。
短くすることで引っ掛かりを軽減しながら、パイルらしい柔らかな感触は残す。さらに、この1mmの細かなループが見た目にも効いている。表面に細かな凹凸が生まれることで光の当たり方が変わり、無地でも平坦に見えない。プリントも柄もないのに、一般的な天竺とは違う表情がある。1mmという設計が、日常での着やすさと、このロンTならではの見え方の両方につながっている。
デニムと合わせると、さらに分かる
LAMPAでは、このパイル生地はデニムとの相性がとてもいいと思っている。デニムにも織りによる凹凸や色の濃淡があり、こちらには細かなループによる柔らかな表情がある。Tシャツとデニムというシンプルな組み合わせだからこそ、それぞれの生地が持っている質感の違いがはっきり見えてくる。
Gジャンの下に着るのもいい。襟元や裾から見える面積はわずかでも、一般的な天竺とは違うパイルの質感がアクセントになる。柄やプリントを加えるのではなく、組み合わせる生地を変えることで、シンプルなコーディネートに変化をつける。LAMPAでも、この着方を特に気に入っている。
生地を見せるための、すっきりとした輪郭
シルエットは、半袖タイプのように肩幅や身幅を大きく取った形ではない。必要なゆとりを残しながら、輪郭はすっきりとしている。一枚で着ればパイルの表面がしっかり見え、上着を重ねても収まりやすい。生地に特徴がある分、形を必要以上に主張させていないところも、このロングスリーブには合っている。
THING FABRICS — LONG SLEEVE T-SHIRT(1mm PILE)TFIN-2901
サンホーキン綿から糸をつくり、今治の職人と二年をかけてパイルを開発し、ループの長さを1mmまで詰める。そこまでやって、出来上がったのはシンプルな無地のロンTです。派手なデザインで違いを見せる服ではありません。でも、肌に触れた時の柔らかさと、着た時に見える細かな生地の表情には、そこまで積み重ねてきたものがきちんと残っています。僕がこのロンTに惹かれたのも、まさにそこです。毎日着るロンTだからこそ、生地から選んでほしい一枚です。
