2026/08/17 16:33


LAMPA CITY STANDARD
~東京カジュアルの正統派~
MEANSWHILE BREATHABLE SIDE SLIT S/S SH MW-SH26105MEANSWHILE BREATHABLE SIDE SLIT S/S SH MW-SH26105MEANSWHILE BREATHABLE SIDE SLIT S/S SH MW-SH26105MEANSWHILE BREATHABLE SIDE SLIT S/S SH MW-SH26105MEANSWHILE BREATHABLE SIDE SLIT S/S SH MW-SH26105MEANSWHILE BREATHABLE SIDE SLIT S/S SH MW-SH26105MEANSWHILE BREATHABLE SIDE SLIT S/S SH MW-SH26105MEANSWHILE BREATHABLE SIDE SLIT S/S SH MW-SH26105



MEANSWHILE — BREATHABLE SIDE SLIT S/S SH MW-SH26105

機能を加えるほど、見た目からはその存在を消していく。
それでも無表情にはしない、その匙加減にMEANSWHILEらしさがある。

機能素材を使った服は、その性能が見た目にも表れやすい。通気性や速乾性を求めればスポーツやアウトドアの方向へ寄り、ポケットを増やせばギアとしての印象も強くなる。機能を加えることは、そのまま服の表情を変えることにもつながる。

MEANSWHILEの面白さは、必要な機能をきちんと持たせながら、それを服の中へどう収め、最終的にどう見せるかまで考えているところにある。このBREATHABLE SIDE SLIT S/S SHも、機能素材と複数のディテールを使いながら、最初に目へ入るのはすっきりと整理された一枚のシャツとしての姿だ。

僕がこのシャツに惹かれるのも、単純な機能の多さではなく、その機能と見た目の距離感にある。東レのDot Airへビンテージ加工を加え、機能的なポケットは二重になった前身頃へ収める。必要なものを足していく一方で、表側から見える情報はむしろ減らしていく。それでいて、すべてを完全に消して無表情な服にはしない。機能を隠しながら、服として見るべき場所は残す。こういう細部の判断に、長くMEANSWHILEを見てきた僕が今も惹かれる理由がある。

Dot Airに、天然繊維を思わせる柔らかな表情を

生地には、東レが開発したDot Airを採用。生地に設けられた微細な通気孔から衣服内の蒸れや湿気を放出し、吸水速乾性能も備えた多機能ポリエステル素材となる。暑さや湿気が気になる季節に求めたい性能を、生地そのものに持たせている。

ただ、このシャツはDot Airをそのまま使って終わらない。さらにビンテージ加工を施すことで、天日干しをした生地を思わせるふっくらとした柔らかさを加え、表面には天然繊維を思わせるナチュラルな質感を生み出している。ポリエステルが持つ機能性を土台にしながら、化繊でありながら肌に馴染みやすい生地へ。その変化は着用時の感触だけではなく、シャツ全体の見え方にまで及ぶ。

ここが実にMEANSWHILEらしい。機能性だけを求めるなら、Dot Airという素材そのものでも成立する。そこへ、あえてビンテージ加工というもうひと手間を加える。性能をさらに分かりやすく見せるためではない。むしろ逆だ。機能を持たせたうえで、いかにも機能素材という質感から遠ざけていく。

通気孔や吸水速乾という機能は残す。それでも、見た瞬間に機能素材であることを強く主張する生地にはしない。普段着る一枚のシャツとして自然に馴染むところまで表情を整える。スペックを足した先で、そのスペックを見た目から引いていく。この考え方は、生地だけで終わらない。

比翼と二重の前身頃、機能を増やしながら見える情報を減らす

フロントにはスナップボタンを採用し、その存在を表へ出さない比翼仕立て。一方で前身頃は二重の構造となり、腰部分には機能的なパッチポケットを配置している。

ここで面白いのは、比翼、二重の前身頃、パッチポケットという仕様を、それぞれ独立したディテールとして考えていないところだ。比翼によってボタンを隠し、二重になった前身頃によってポケットの存在も表側から目立たせない。それぞれが作用することで、収納という実用性を持たせながら、正面から見た時の情報を整理する。

普通ならポケットを加えれば、その分だけ服に線や切り替えが増える。ところが、このシャツは逆だ。機能を増やした結果、見た目は静かになる。ポケットをデザインとして前へ出すのではなく、服の構造そのものへ収めてしまう。足しているのに、見た目からは引かれていく。

そして、ここからがさらにいい。すべてを均一に二重にして、完全にフラットな一枚へ見せているわけではない。前身頃の重なりにはわずかな段差をつけ、その構造自体はさりげなく見えるようにしている。

隠す。でも、消さない。

この判断があるから、フロントをミニマムに整理しても無表情にならない。ポケットは目立たせない。しかし二重構造によって生まれる段差は残す。正面から見ればすっきりとしているのに、近くで見れば服の構造がきちんと存在する。機能を見せないことと、デザインまで消してしまうことは違う。その境目に、MEANSWHILEらしい設計の巧さが表れている。

ゆとりのある輪郭に、サイドから見える構造を残す

シルエットはややゆったりとした設定。身体との間に余白を持たせた輪郭は、Dot Airへビンテージ加工を施した柔らかな生地の表情とも自然につながる。身幅にゆとりを持たせながら、比翼と二重の前身頃によって正面の情報を整理することで、カジュアルなシャツを基調としながら、見た目が必要以上にラフな方向へ傾かない。

そして商品名にも表れているサイドスリットも、このシャツを構成する大切なディテールの一つ。ゆとりを持たせた身頃のサイドにスリットを加えることで、正面だけではなく横から見た時にも服の構造が残る。

フロントは比翼によって静かに見せる。前身頃には二重構造による重なりとわずかな段差。そしてサイドには切れ込み。どこか一箇所だけを強く主張するのではなく、見る角度が変わることで少しずつディテールが見えてくる。すっきりしている。でも、何もないわけではない。

機能を消すのではなく、服の中へ馴染ませる

このシャツを見ていると、素材とデザインが同じ方向を向いていることが分かる。性能を前へ出すのではなく、必要な機能を持たせたうえで、一枚の服としてどう見えるかを整える。Dot Airへのビンテージ加工も、ポケットを収めた二重の前身頃も、根にある考え方は同じだ。

何かを加えて、そのまま見せるのではない。必要だから加え、そのうえでどこまで見せるのかを考える。隠したほうがいいものは隠し、服の表情として必要なものは残す。機能を増やすこと自体を価値にするのではなく、その機能が一枚の服の中でどうあるべきかまで考える。

だから、最初はすっきりとした一枚のシャツに見えるのに、細かく見ていくほど理由のあるディテールが出てくる。僕がMEANSWHILEを長く見てきて面白いと思うのは、まさにこういうところだ。機能を誇示するのではなく、服として成立させるためにどう収めるか。一つひとつの選択に、MEANSWHILEというブランドの考え方が見える。

通気性や吸水速乾性能を持つ素材だからこそ、その機能だけに頼らず、着た時の質感や見え方まで考えられています。ポケットを備えながら、どう隠し、どこを残すかまで設計されているところにも、このシャツの面白さがあります。機能を強く主張するのではなく、必要なものとして服の中へ馴染ませ、それでも服を見る楽しさはきちんと残す。細かな判断の積み重ねまで含めて、LAMPAが長くMEANSWHILEを選び続けてきた理由を感じていただける一枚です。