2026/07/16 03:12




A Moment of the City 06

A Moment of the City / 06

公園デートの、ちょうどいい服。

杉並区在住 30歳 会社員。

最近、友達の紹介で知り合った女性と、公園デートをすることになった。

デートといっても、都内の公園。

気合いを入れすぎるのも違うし、ラフすぎても違う。

正直、こういう「ちょうどいい」が一番むずかしい。

家のクローゼットを開けて、何着か合わせてみる。

でも、どれもしっくりこない。

「これ、頑張って見えるかな。」

「これは逆に、なんも考えてない感じかな。」

一人で試着しながらブツブツ言っている自分に、途中で笑えてきた。

こんなことで悩む歳でもないのに。

結局、自分では決めきれず、数日前にいつもお世話になっているLAMPAへ。

遠山さんに事情を話すと、

「公園だったら歩く時間も長いよね。」

「途中でカフェにも入ると思います。」

「じゃあ、涼しくて楽なのは大前提。でも、リラックスしすぎて気が抜けて見えるのは違うよね。」

そんなやり取りをしながら何着か試着して、最終的に選んだのが、トップスはORDINARY FITS LINEN RAGLAN PULLOVER TEE、パンツはSTILL BY HAND 強撚コットンテーパードパンツだった。

そういえば、このブランド、遠山さんに前にも勧められた気がする。

ブランドを意識して服を買うタイプではないけれど、家に帰ってクローゼットを見ると、STILL BY HANDの服が意外と多い。

気付けば、「これいいな。」と思って手に取る服は、いつもこのブランドだった。

今回もそうだった。

穿いてみると、生地は涼しげなのに、どこか品がある。

リラックスしているのに、だらしなく見えない。

「やっぱりこれだな。」

パンツはほとんど迷わず決めた。

一方でトップスは、今回初めて買うORDINARY FITS。

デニムが有名なブランドということは知っていたけれど、自分は普段デニムを穿かないので、今まで縁がなかった。

でも、このリネンの半袖TEEだけは違った。

着た瞬間の軽さと、力の抜けた雰囲気。

それでいて、どこか都会的。

STILL BY HANDのパンツと合わせると、頑張ってお洒落をしている感じではなく、自然体なのにちゃんと大人っぽい。

「今日の場所には、このくらいがちょうどいい。」

そんな気がした。

待ち合わせへ向かう

当日。

待ち合わせへ向かう道を歩きながら、なんとなく服の裾を気にしてしまう。

「これで良かったのかな。」

そんなことを考えながら歩いていた。

待ち合わせ場所でスマートフォンを見る

待ち合わせ場所の少し手前で立ち止まり、スマホを見る。

「着いたよ。」

彼女から届いたメッセージ。

深呼吸をひとつして、歩き出した。

公園デート

最初は少し緊張していたけれど、公園を歩きながら話しているうちに、少しずつ自然に笑えるようになっていた。

仕事のこと。

休日の過ごし方。

好きな食べ物。

そんな他愛もない話ばかり。

でも、その何気ない会話が、なんだか心地良かった。

リネンのトップスは風が抜けて気持ちよく、強撚コットンのパンツも一日穿いていて本当に快適。

歩いても、座っても、気が抜けて見えない。

遠山さんの言った通りだった。

公園のカフェ

公園の中にある雰囲気のいいカフェで、アイスコーヒーを飲みながらゆっくり話す。

服のことなんて、途中から忘れていたくらいだ。

それって、きっと良い服なんだと思う。

駅へ向かう途中、スマホが震えた。

「今日はありがとう。また行こうね。」

彼女から届いたその一言を見て、思わず顔がゆるんだ。

次は、どこへ行こう。

そんなことを考えながら、家までの帰り道をゆっくり歩いた。



ーEND-