2026/06/26 22:23



STILL BY HAND ピンタックオープンカラーシャツ SH07261

普通に見えてしまうほど、作り込まれている。


服には二種類ある。

一目で「凄い」と思わせる服。

そして、見れば見るほど「凄い」と気付く服。

このシャツは、間違いなく後者だ。

色も落ち着いている。

シルエットもベーシック。

一見すると、ごく普通の半袖オープンカラーシャツ。

だけど、近くで見た瞬間に印象が変わる。

「なんだ、この生地。」

そう思わずにはいられない。

普通に見えてしまうほど、徹底的に作り込まれている。

そんなSTILL BY HANDらしさが、この一着には詰まっている。



静かに、確実に目を奪う生地

まず、このシャツで一番目を惹くのは生地。

機屋のアーカイブに残るテクニックを用いて、STILL BY HANDが一から別注で製作したオリジナルファブリックだ。

生地全体にランダムに走るピンタック。

プリントでも織り柄でもない。

生地そのものに立体感を与えることで、光の当たり方や動きによって豊かな表情が生まれる。

派手ではない。

華やかでもない。

それでも自然と目が止まってしまう。

無地には出せない奥行きと存在感。

このブランドらしい、静かな個性を感じさせてくれる生地だ。



真夏でも快適に過ごせる驚きの軽さ

見た目だけではない。

着ると、さらに驚く。

素材はレーヨン、ナイロン、ポリウレタンの混紡。

適度なシボ感を持ったドライタッチな質感で、肌離れがとても良い。

そして驚くほど軽い。

汗ばむ季節でも肌に張り付きにくく、風が抜けるような快適な着心地。

袖を通した瞬間に「これなら真夏でも着たい」と思えるシャツだ。

存在感のある生地なのに、着心地は驚くほど軽快。

このギャップが、このシャツのもう一つの顔だ。



言われなければ気付かない違和感

STILL BY HANDの服は、デザインを足して目立たせるブランドではない。

違和感を、自然に仕込むブランドだ。

このシャツもそう。

胸ポケットは、丸みを帯びたフラップ。

対してポケット本体は四角いマチ付きのパッチポケット。

普通ならどちらかに揃える。

でも、このブランドはあえて揃えない。

言われなければ気付かない。

だけど、一度気付くと妙に心地良い。

「なんか良い。」

そんな感覚を生み出すデザインが、本当に上手い。



後ろ姿にも、STILL BY HANDらしさ

背面も抜かりない。

一般的なヨークタックではなく、センターのみにタックを配置した珍しい仕様。

この一手間だけで、自然な立体感と程良いゆとりが生まれる。

派手なデザインではない。

でも、後ろ姿まで美しく見える。

シンプルだからこそ、小さな違いが大きな違いになる。

そんなことを改めて感じさせてくれる。

ブランドを最も象徴する一着

デザインを足すのではなく、違和感を仕込む。

生地で魅せ、着心地で納得させ、細部で惹き込む。

それがSTILL BY HANDというブランドのものづくりだ。

別注ピンタック生地。

絶妙な違和感を生む非対称のポケット。

立体感を生むセンタータック。

そして真夏でも快適に着られる驚きの軽さ。

どれも派手ではない。

だからこそ、長く着るほど、この服の完成度の高さが伝わってくる。

服好きほど、知れば知るほど惹かれてしまう。

このシャツは、STILL BY HANDというブランドを最もSTILL BY HANDらしく表現した一着だと思う。